『アバウト・タイム』と恋愛恐怖症のわたし
彼のいない人生に興味はないの。
―リチャード・カーティス(『アバウト・タイム』)
1ヶ月ほど前、ようやく『アバウト・タイム』を観てきた。
わざわざお台場まで行って、親友と女ふたりで楽しく夜景まで見て帰ってきたわけですよ。あれから1か月も経ったなんて信じられない(もう師走なのに!一年終わっちゃうよ!)。
なんかさー。
時間が経ったことに気づくのって、過去の楽しい出来事をふり返った時だからやっかいだと最近ふと思ったの。
あの時は楽しかったなあ、あんな風にもう一度笑えたらなあ、って常に思うけど、結局それは全部憧憬からイメージされる過去の自分であって、結局それも不確かな残像なのよね。
だからなんだか最近すごく困っている。ニートでふらふらしていると、時間ばかりが目の前に叩きつけられて、考えるのはいつも過去のことばかりで。
今のわたしに誇れることなんて、ひとつもないなあって。なんてな。ごめん、愚痴っちゃいました。
さて、『アバウト・タイム』ですが、そんなこんなで女ふたり号泣でしたよ。
本作は、台詞がとても素敵なの!
家族の関係性とかストーリー展開とかももちろんとても良かったけど、中でも台詞と音楽は秀逸。サントラ欲しくなったよ。さすがリチャード・カーティス監督。
このリチャード・カーティスって方は、『ノッティングヒルの恋人』や『ラブ・アクチュアリー』の脚本(ラブアクチュアリーは監督も兼任)などを書かれた人なのね。
ストーリーはこんな感じ。
21歳の誕生日、主人公のティム(ドーナル・グリーソン)はタイムトラベルできる超能力を持っていることを父親(ビル・ナイ)から知らされる。
やがてロンドンに上京した彼はメアリー(レイチェル・アクアダムス)という女性と偶然出会い恋に落ちるの。
メアリーに好きになってもらうためや、妹を救うためにタイムトラベルを使っていくんだけど、タイムトラベルができるからといって、何もかもが思い通りにいくわけではないということを身を持って知っていく。
老いや父親の病気・・・でもだからこそ、日々の大切さを誰よりも知ることができるの。
随所随所に素敵な言葉がたくさんでてきたけど、一番胸に残ったのが冒頭の台詞。
ティムの父親が癌になったことを知り、ティムとメアリーが彼の実家に赴いた時のものなの。
ティムの母親が彼に「どう?」って聞かれて答える。
「最悪よ。彼のいない人生に興味はないの」って。
どう?素敵でしょ?
わたしはこの言葉を聞いて号泣しちゃった。
うらやましくなったの。そう思える相手に出会えたことが。
全然恋愛とかできないんですよね、わたし。苦手で。
どうしても友だちで終わっちゃう。
わたしね、うれしいも楽しいも悲しいもさみしいも、全部ひとりで自己完結できちゃうの(友だちに言われて気付いたんだけどね)。
さみしい女。そう思うけど、もう変えられない気もしてる。自分の中にずっとずーっと壊せないバリケードみたいなのがあって、いつの間にか気付かぬうちにその壁は築きあげられてたんだけど、誰もその中には踏み込めないの。
わたし自身でさえ、踏み込めない。
前に恋した時なんてもう3年前かなあ。その彼とも全然うまくいかなくて1年ほど経って二股かけられて終わったけど(笑)。
その終わり方にも問題あったから怖がってるだけかもしれないんだけど、どうしてもだめ。誰も好きになれない。
結局は恐がってるだけってのもわかってるんだけどね。誰かを本気で好きになって、好きで好きでたまらなくて、一時でも「一生一緒にいたい」なんて思ってしまったら。そう思うと恐くてたまらない。いつか訪れるかもしれない別れに立ち向かう勇気がない。
人の優しさに触れると、どうしてこんなにも弱くなるんだろうね。
幸せな時間が長ければ長いほど弱くなってて、突然のバイバイに、淋しくて死んじゃうなんてこともあるんじゃないかな、とか思っちゃうの。
そんな風に、考えたことないですか?
わたし、どうしたらもっと強くなれるんだろう。
でもね、この作品は愛に満ちた作品なの。それは理解できたんだけどなあ・・・(笑)。愛の本質はわからぬまま。だめね、こんな弱音ばっか言ってちゃ。がんばらなきゃ。
いつか、わたしもティムの母親みたいに、しれっと言ってみたい。
「彼のいない人生に興味はないの」って。
そう言える日まで、ラブストーリーでもたくさん観て勉強しておきますかね。
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この動画観ると、『アバウト・タイム』だけでなく、リチャード・カーティスの作品全部見直したくなるの!!
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